アナザーフェイス9闇の叫びのネタバレや感想は!?

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今日は、堂場瞬一さんの「アナザーフェイス」シリーズの最後の1冊をご紹介します。

 

この本はどんな本

「アナザーフェイス」は男手1つで息子を育てる大友鉄刑事のシリーズです。本日ご紹介する「闇の叫び」はシリーズ9冊目で大友鉄最後の事件となります。

「アナザーフェイス」シリーズは作家堂場瞬一さんの警察小説です。2010年から文春文庫より出版されています。2012年には仲村トオルさん主演でドラマ化されました。

「闇の叫び」は2018年3月に発行されました。この本でアナザーフェイスシリーズは完結となります。

 

作者はどんな人

堂場瞬一さんは、警察小説やスポーツ小説を主に発表されています。2000年に「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞されました。2015年「警察回りの夏」で第36回吉川英治文学新人賞を受賞されています。読売新聞社の記者を長くされていたそうです。

「刑事鳴沢了シリーズ」「警視庁失踪課高城賢吾シリーズ」「刑事の挑戦一ノ瀬拓真」などの警察小説シリーズを次々と発表されています。

「二度目のノーサイド」「チーム」などのスポーツ小説も多数発表されています。

 

あらすじ

大友鉄刑事に、ある日一人息子優斗のかつての同級生の母親から電話がありました。彼女の娘の通う中学の保護者が何者かに襲われたというのです。

大友鉄は刑事総務課のため、事件の捜査には加われません。個人的に調べているうちに、同じ学校の保護者が連続して襲われてしまいます。上司の命令で、特別に捜査一課の捜査に加わります。しかし、容疑者は二転三転していきます。

捜査はハードですが、大友鉄は充実していきます。でも、家には高校受験を控えた息子の優斗が一人です。大友は、妻を事故で亡くしてから一人で優斗を育てるイクメンでもあるのです。

子育て優先で、かつては捜査一課の刑事から総務課に希望異動してここまできました。

このシリーズがはじまった時は34歳だった大友も40歳を超えました。小学2年だった息子の優斗は中学3年生に成長しています。父親が考えるよりもずっとしっかりした少年です。

事件は、次第に男手一つでの子育てという、ハードな子育てと被るような様相を呈していきます。自分の子育てと重ね合わせて心が揺れる大友刑事、連続保護者殺傷事件の真相にせまります。子どもの虐待という思いテーマが流れます。

 

登場人物

大友鉄:警視庁刑事部総務課刑事。妻を交通事故で亡くし、息子と二人暮らしです。妻の実家に近い町田市のアパートに住んでいます。何かあった時には亡き妻の母親に助けてもらいます。 学生時代演劇をやっていて、それが捜査にも役立っているようです。他人に警戒心を与えないといううらやましい能力があるため、取り調べなどは上手いようです。かなりのイケメンですが、本人にその気がないためロマンチックな展開はありません。事件の捜査をしない部署ですが、大友の能力を惜しむ上司たちから「リハビリ」と称して捜査の応援に加えられます。いつも息子のことを思っています。

大友優斗:大友鉄の一人息子で中学3年生です。母を亡くし、父と二人です。父が思っている以上にしっかり育っています。お料理もこなし、さりげなく父のことを気遣っています。高校受験にむけてがんばっています。ドラマでは鈴木福くんが演じました。

柴克志:大友鉄の同期の友人です。捜査一課の刑事でこわもてです。

高畑敦美:大友鉄の同期の友人です。学生時代はラグビーやハンマー投げの選手でした。「アイドル系レスラー」と言われる体育会系の美人刑事です。

後山:容疑者の一人。中学教師です。

前田:容疑者の一人です。資産家の引きこもりです。

 

感想

シリーズの最後だからか、今までに登場した人がちらほら再登場して、読者サービスしてくれます。この本でアナザーフェイスシリーズが終わってしまうのは残念です。

今回の事件は、子どもへの虐待といういたましいものです。事件が報道されるたびに、言いようのない怒りと、何もしてあげれない無力感を感じる方も多いのではないでしょうか。大友鉄も子育て中のシングルファーザーとして、悩みながらも真相にせまっていきます。自分の子育ては、果たして良かったのか疑問が湧いてきます。そりゃあ、子育てには答えなんかないですから。自分の子育て間違ってたか?と悩みっぱなしの日が続くことだってありますよ。腹が立って、もうどうしてくれようと思うことだってありますよ。強くしかって、あとから怒りすぎたと自己嫌悪に陥ることだってありますよ。子どもに暴言はかれて落ち込むこともありますよ。でもやっぱり可愛いから親子って続いて行くと思います。

鉄の息子の優斗君はその点とってもいい子です。父親のことをよくわかってくれています。うらやましい限りです。父のほうが子離れできていなかったようです。優斗君はしっかり将来のビジョンを見据えていました。ここまで成長していたなんて、読者としてはうれしい限りです。

息子が自立してしまったから、大友鉄はもう息子を言い訳にできないですね。きっと総務課から捜査一課入力戻っていくのでしょうか。今後のご活躍を期待します。でも、もう会えないですね。残念です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか、もう会えないイケメンでイクメンの大友鉄の最後の事件をぜひ手にとってみてください。

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