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ミリオンダラー・ベイビーの感想と解説などネタバレは

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涙・・拳で駆け抜けた女性と老トレーナー

「ミリオンダラー・ベイビー」

 

日本ボクシング連盟にいろいろな問題が発覚しました。

ボクシングというと「明日のジョー」(古いですね)、厳しい減量や殴り合う試合などハードなスポーツですが、女性の競技人口もじわじわ増えているそうです。

今日はボクシングのお話、アメリカのF・X・トゥルー原作「ミリオンダラー・ベイビー」をご紹介します。

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この本はどんな本?

ボクシングのお話が短編5つと中編1つはいっています。そのうちの1編がこの「ミリオンダラー・ベイビー」で、2004年にクリントイーストウッド監督で映画化され、アカデミー賞作品賞などを受賞しました。

日本では、2005年、早川書房から東理夫さん翻訳で出版されました。現在在庫はないようですが、中古品はあるようです。

早川NV文庫には、他に「モンキールック」「ブラック・ジュー」「フィリーでの闘い」「ロープ・バーン」などボクシング世界の哀愁に満ちたお話がはいっています。

 

作者はどんな人?

F.X.トゥルーは本名ジェリー・ボイドといい、1930年に生まれ、2002年、本の出版の2年後に亡くなりました。72歳だったそうです。

この方は実際にボクシングをしていました。しかも50歳すぎてからボクシングの世界にとびこんだそうです。優秀なトレーナーでカットマンだったそうです。カットマンとはセコンドのことで、試合中の選手の止血などをする人だそうです。

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登場人物

マギー・フィッツジェラルド;主人公。女性ボクサー。努力と才能でアメリカンドリームの体現者となっていきます。

フランキー・ダン; マギーのボクシングコーチです。

 

あらすじ

マギーは田舎から出てきてウエートレスをしています。彼女にはボクサーとして成功して栄冠をつかみたいという夢があります。そのため、毎日自己流のトレーニングに励んでいます。

ある日、ベテラントレーナーのフランキーのボクシングジムの門をたたきます。しかし、頑固で古い人間のフランキーは許しません。女性のトレーニングはしないと言います。しかし、次第にマギーのひたむきな熱意に心を開き、やがて彼女のトレーナーになります。

マギーはフランキーの指導のもと、めきめきと頭角を表し、試合に勝ち続けていきます。マギーは底辺の生活から抜け出し栄光を手に入れます。しかし、幸福は長く続きませんでした。ヨーロッパでの遠征試合で悲劇が起きてしまいます。

 

感想

マギーは30歳すぎた女性です。孤独です。ぴちぴちした若さはもうないのに、ボクサーの夢を追いかけます。恵まれない家庭環境で育ち、現在も貧しい生活です。たぶんかなり貧しい生活です。

だからこそ這い上がりたいと思ったのでしょう。しかし、金持ち男をつかまえよう、とか、ギャンブルで一攫千金とかを狙わずに殴り合うボクシングを目指しました。世間の常識とか,人目など気にせずに自分の夢だけを追い続けるマギー。女性としては、ちょっと変わっているのかもしれません。でも、そのひたむきさは応援せずにはいられません。マギーは自分の拳で底辺から必死で這い上がろうとしています。

フランキーもうらぶれています。経営するジムは看板選手には逃げられるしお金もあまりはいってきません。おまけに偏屈で頑固、孤独です。可愛げのないおじさんです。

そんな頑固で不愛想なフランキーはマギーの指導をしだします。本人は最初指導しているつもりはありませんでした。でもそのうちに、マギーの才能に気づきます。もとよりマギーは、フランキーを尊敬していますから、彼の指導には忠実です。二人の間は親子のような信頼しきった、理解しあった関係になっていきます。

いや、父と娘の関係とはいえないです。父親が娘のことをこんなに理解できるとは思えません。娘だって、こんなに父親のことを信頼しきっていないと思うのです。もちろん、理解し信頼しあっている父娘もいるかもしれませんが。

マギーとフランキーは魂で結びついています。少しは父娘の関係、そしてほとんど親友、もしかして戦友のような関係でしょうか。だからマギーはメキメキと実力をつけ、うらぶれたフランキーのジムのミリオンダラー・ベイビーになれたのだと思います。

勝ち続けるマギーを襲う悲劇の残酷さ。こんなことなら、強くならなければよかったのに。

マギーを愛すればこそ、フランキーがとらざるを得ない行動。フランキーにだからこそ、マギーが頼んだこと。もう、涙なくしては読めません。

作者のトゥルー氏はボクサーであり、トレーナーだった方なので、お話は現実そのものに感じられます。マギーの汗や涙がリアルです。

イーストウッド監督の映画は、原作に細かく肉付けした名作です。監督自身がフランキー、モーガン・フリーマンが友人のスクラップを演じています。マギーはヒラリー・スクワランです。この映画でアカデミー主演女優賞を受賞しました。

映画では、フランキーは実の娘に愛想をつかされたみじめな父の設定です。

映画は自殺未遂や安楽死などの重いテーマで、物議をかもしたそうです。
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まとめ

「ミリオンダラー・ベイビー」いかがでしたか。原作は短編中心なので読みやすいです。また、映画はDVDも発売されています。是非どちらか手に取ってみてください。

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