小説紹介

見逃したドラマをHuluで見ませんか②  宮部みゆきさんの「名もなき毒」配信中

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はじめに

前回に引き続き、ドラマ化された作品をご紹介します。宮部みゆきさんの「名もなき毒」です。

2013年TBSで放送されました。主演は小泉孝太郎さん、他に大杉漣さんや平幹次郎さんといった懐かしい方も出演されています。ドラマは現在huluで配信されています。https://www.happyon.jp/nameless-poison

 

作者

宮部みゆきさんは、ミステリー、時代小説、ファンタジーなど幅広い作品を発表されています。

ゲーム好きとしても知られています。

「荒神」「悲嘆の門」「ソロモンの偽証」「あやかし草紙」などが最近出版された作品です。受賞歴は数多くあります。

大沢在昌さん、京極夏彦さんと3人で『大極宮』という公式サイトを開いていらっしゃいます。

http://www.osawa-office.co.jp/

 

作品について

2005年東京新聞などに連載され、その後加筆され、2006年に幻冬舎から出版されました。

「杉村三郎シリーズ」第2作目です。この作品は2007年に吉川英治賞を受賞されました。1作目は「誰か somebody」です。第3作「ペテロの葬列」第4作「希望荘」と続きます。

ちなみに、第1~第3作までは、すべてドラマ化されています。

 

登場人物

杉村三郎: 今多コンツェルングループ広報室編集者。コンツェルン会長の娘婿だが、その恩恵を受けないようにしています。優しさの塊です。他人にどこまでも親切で、毎回、いつのまにか事件に巻き込まれていきます。

杉村菜穂子:三郎の妻、今多コンツェルン会長の娘。病弱で三郎や父親からかなり大事にされています。

杉村桃子:三郎と菜穂子の一人娘で溺愛されています。

今多嘉親:今多コンツェルン会長で菜穂子の父です。

薗田瑛子:三郎の上司、今多コンツェルン広報室長、編集長です。てきぱきしていてややワンマンです。

北見一郎:今回初登場の探偵です。

古屋美智香:連続無差別毒殺事件の第4の被害者の孫です。高校生です。

古屋曉子:美智香の母。外資系証券会社務めのシングルマザーです。

原田(げんだ)いずみ:三郎の広報室のアルバイトの女性です。最悪の性格です。

秋山省吾:ジャーナリスト、三郎の広報誌に記事執筆を依頼されました。

五味淵まゆみ:秋山の従妹でアシスタント、しっかりものの女子です。

 

あらすじ

三郎の広報室はアルバイトの原田いずみを採用します。出版社勤務の経験を買われたのですが、ふたを開けてみると、何もできないのです。ちょっと注意すると逆切れし、手がつけられないありさまです。おかげで広報室の中はごたごた、雰囲気は険悪になっていきます。

たまりかねた広報室はいずみを解雇しますが、いずみは対抗手段に打って出ます。今多会長あてに、広報室で嫌がらせやセクハラを受けたので訴訟を起こすと手紙をだしました。

三郎は会長の命令でいずみの問題対応の窓口とされてしまいます。

いずみの履歴書がウソだという証拠を探し、三郎は都営住宅で開業している探偵の北見一郎のもとを訪ねます。北見探偵はかつていずみのことを調べたことがあるのです。

北見の事務所で、三郎は古屋美智香と出会います。

美智香は、そのころ発生した連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしました。食事が摂れないほどショックをうけています。追い打ちをかけるように、母の暁子が容疑者とされてしまいます。

三郎は、もちまえの優しさから、この古屋親子に親身となって相談に乗っているうちに次第に事件の核心に気づいていきます。

一方、いずみの心の中の悪意はどんどん増幅していきます。悪意は広報室に魔の手を伸ばします。そしてやがて、いずみのターゲットは、三郎個人になっていきます。

三郎はいずみの悪意から逃れられるのでしょうか。美智香の祖父は、誰に殺されたのでしょうか、連続毒殺犯はつかまるのでしょうか。

 

感想

いい人すぎる杉村三郎はドラマでは小泉孝太郎さんが演じられていますが、はまり役です。小泉さんしか考えられません。ほんわか優しいのですが、納得するまで行動する、実はこだわりのひとです。

怖い原田いずみは、江口のり子さんが原作以上に怖く演じています。

いずみの心の中の毒は、彼女を飲み込み、周囲のひとにも広がっていきます。いずみは、もともと精神のバランスが危うかったようですが、ちょっとした挫折感を味わうたびにどんどんひどくなっていったのでしょうか。彼女自身が毒そのものになってしまいます。

いずみは、自分なりの勝手な理屈で、三郎のストーカーになっていきます。

三郎と、奥さんの実家の関係も前作から続いています。超大金持ちの家の娘を妻にしたのに、できれば奥さんの実家からは離れていたい気弱な男性です。もっともお舅さんが、コンツェルン会長で役者は平幹次郎とくれば、確かに恐れ多いです。

三郎の上司の薗田編集長は強い女性を装っていますが、実はナイーブです。鎧をまとって生きていくいじらしい女性を、さすが室井滋さん、好演されています。

人の心の奥底まで掘り下げていく宮部みゆきさんの描写はさすがです。

この作品には、土壌汚染やシックハウス症候群など、当時の注目事項ももりこまれています。今にも続く問題が、この本でも重要な背景になっています。

 

まとめ

いずみの持つ毒は極端ですが、私たちは少なくない毒を心に持っているのではないでしょうか。毒は人の間で拡がっていきます。せめて、自分の中の毒に気が付いて、人に害を及ぼさないようにしたいです。

宮部みゆきさんの作品は多くの方に愛読されています。これからもどんどん発表していただきたいですね。

そしてこの杉村三郎シリーズの第4作が早くドラマ化されるといいですね。

 

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