朝鮮ガンマン(全22回)
はじめに
「近くて遠い国」韓国。
日韓関係は冷え切ったままですが、辛くても過去をしっかり見据えた上で、両国にとっての良い未来に向かって少しづつでも前進するといいですね。
今回は、韓国時代劇ドラマ「朝鮮ガンマン」をご紹介します。
あらすじ
朝鮮王朝第26代国王、高宗(コジョン)3年。
長い眠りについていたような朝鮮国にも西洋文明の大波が押し寄せてきていました。
高宗は、歴代の王が固く守ってきた鎖国政策をやめ、開化(新しい文物や制度を取り入れること)に国政の舵を切ることを決断します。
列強に敗北したアジアの盟主である清国の衰退と明治維新を経て急速に強くなった日本を目の当たりにして、国中が不安のただ中にありました。
朝鮮も日本にならい国を開くべきだと主張する人々と、中華思想に依存し伝統を重んじ既得権を守ろうとする人々が「開化派」と「守旧派」に分かれ激しく対立する事態となっていきました。
そんな中、高宗が朝廷に招き入れようとしていた開化派の学者たちが、謎の銃使いに次々と殺害されるという事件が発生します。
三人目の犠牲者となったのはヒョナムという学者で、民衆に向かって演説している最中に銃撃され即死します。
その場に張り込んでいた捜査担当の別将(ピョルチャン=朝鮮王朝時代の武官職)パク・ジナンは、すかさず銃使いを追いかけ、新式の銃を持つ相手に弓で果敢に対抗しますが逃してしまいます。
残る標的と思われる学者は、あと一人だけとなりました。
ジナンには息子のユンガンと娘のヨナという二人の子がいました。
ユンガンは父親に反抗心を抱いている様子で、剣の腕はたつのですが遊び好きで妓楼通いの日々を送っています。
一方、殺されたヒョナムの弟子となり、開化派の最後の学者に師匠の遺作である本を届けようとする男装の娘がいました。
道でユンガンとぶつかった拍子に、彼女は護身用の小銃を落としてしまいます。
小銃を見たユンガンは、その場は知らぬふりで立ち去ったものの怪しんでその後を尾けます。
周囲を警戒する素振りを見せたことで、疑いが確信へと変わったユンガンは銃使いとの関係を問い詰めようと迫り、剣を振りかぶった瞬間、銃声が轟き…。(ここで終わりなわけはないので後の展開は本作品をご覧ください)
守旧派の長で朝廷を牛耳る権力者、事件の黒幕のキム・ジャヨンは目障りなジナンを排除するよう配下に命令をを下します。
帰宅したところを銃使いに狙撃されるジナン。
幸いなことに銃弾は外れ、反撃に転じたジナンは銃使いを追跡し追い詰めます。
しかし、裕福な商人のチェ・ウォンシンの屋敷前で、またもや見失ってしまいます。
駆けつけた兵士と共に屋敷内を捜索しますが、銃使いの姿はありませんでした。
ユンガンと揉めた男装の娘は、チョン・スインという通訳官の一人娘でした。
朝鮮王朝時代の通訳官は身分は高くないのですが、清国との交易で儲かるためかお金持ち、スインも新しいものに心を奪われ、裏庭には地球儀とか望遠鏡が並んでいます。
二人の出会いなど知らないジナンは、銃使いに狙撃されたことで命の危険を感じて家族の安全のため、知り合いであるスインの父に保護を求めるのでした。
ユンガンとスインは同じ邸で暮らすことに…。
見所
なんといっても主役のイ・ジュンギのアクションが見所です。
ちょっとネタバレになりそうですが、主人公が名乗る日本名は「長谷川半蔵」といい、”忍者”服部半蔵と’’鬼平’’長谷川平蔵を足して2で割ったのかと日本の時代劇好きならずとも疑ってしまうところです。
「時代劇ドラマにツッコミどころは不可欠」が持論の私としては、最新式のライフル銃を持っているのに装束が忍者というあたりも、日本人的なツッコミができて楽しいです。
ちなみに、朝ドラ俳優の大谷亮平が日本人役で出演しているところも注目です。
配役と主な出演作
パク・ユンガン/イ・ジュンギ 一枝梅(イルジメ) 麗〈レイ〉~花萌ゆる8人の皇子たち~
チョン・スイン/ナム・サンミ 天下無敵イ・ピョンガン
チェ・へウォン/チョン・ヘビン インス大妃 夜叉(ヤチャ) ヒーラー
キム・ボギョン/ハン・ジュワン 華政(ファジョン) 恋するレモネード
チェ・ウォンシン/ユ・オソン 客主(キャクチュ)~商売の神~ 鉄の王キム・スロ
終わりに
高宗は、日韓併合前に実質的に朝鮮を支配した最後の王です。
日韓両国にとっての不幸な歴史の少し前の時代を題材にしたドラマと考えると複雑な気持ちになり、あまり期待せずに視聴しました。
ものすごく悪い倭人(わじん=日本人のこと)が出てくるんだろうくらいに考えていたので、見終わった後、少しホッとしたというのが正直な感想です。
私個人の意見ですが、両国の俳優がいつかお互いの大河ドラマに出演しあえるくらい、良い関係になれることを願っています。
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