七日の王妃(全20話)
はじめに
「近くて遠い国」韓国。
元号も令和に改まったので、日本との関係が少しでも改善されると良いですね。
今回は、韓国歴史ドラマ「七日の王妃」をご紹介します。
あらすじ
朝鮮王朝第10代国王、燕山君(ヨンサングン)は即位から5年で反対勢力を粛清し権力の強化に成功しました。
それから2年後、全てが順調とはいかないもので、長期の干ばつが続いたせいで主食の米や作物が育たず、人々は雨の恵みを天に祈るばかりという太平の世とはいえない状況でした。
天変地異が自然現象などではなく、王の治世を表す天の意思と考えられていた時代のこと、雨が降らないのも王の失政のせいと受け取られかねなかったのです。
朝廷の役人たちは、なんの飢饉対策も立てることができず、王の顔色を伺うことしかしない有様です。
不安を孕む朝廷で、王の異母弟の晋城大君(チンソンテグン)の婚礼話が持ち上がります。
相手として名前が挙がったのは、都承旨(トスンジ=王命を伝達するのが役目の側近)の娘で王妃の姪にあたるシン・セギョンでした。
なぜか田舎に隠されて育ったセギョンは、名家出身のお嬢様なのに都では無名、村人とロバの世話の手伝いをしたりする毎日です。
のびのびと活発で勝気な少女に成長したセギョンですが、都に呼ばれないのは両親から疎まれているからと思い、寂しさを抱えているのでした。
都へ行く機会を作るため、両親に届ける手紙を奪うという強硬手段に出て男装して都へやって来たセギョン。
市場で出会った晋城大君(イ・ヨク)を王子だと知らずに不良少年と決めつけます。
その上、手紙と金をスリに盗られてしまうのですが、その場に居合わせたヨクを犯人と勘違いします。
セギョンは思い込みの激しい性格のようで、お忍びで王宮から出てきた王をヨクとまたまた勘違いして、その後を追いかけるのでした。
先王の継妃となり燕山君(イ・ユン)を育て、ヨクを産んだ慈順大妃(チャスンテビ)は息子の生命を案じ、ユンの標的にならないように幼い頃から「見ない聞かない」ようにと繰り返し諭してきたのでした。
しかし、母の願いがどうであれ、ヨクから兄を慕う心を失くすことはできませんでした。
王に取り入ろうとするものの中に、先王の秘密の遺言書が存在すると告げる人物がいました。
死の床にあった先王は、世子(世継ぎ)だった燕山君を呼び、将来、ヨンが成人した時には王位を譲るよう告げたことがあったのです。
そのことで兄弟の関係にさらなる暗雲が立ちこめるのですが…。
見所
今も韓国の人々に記憶されている、チマ(韓国の民族衣装の女性用のスカート)岩にまつわる悲しい伝説と、燕山君時代の歴史を基にしたロマンチック史劇です。
暴君として歴史に残る燕山君を、臣下がクーデターを起こし倒したことによって王位に就いた中宗(チュンジョン)の最初の王妃、端敬王妃(タンギョンワンフ)シン氏がヒロインです。
彼女は最後まで廃王に忠誠を尽くした臣下の娘という理由で、たった7日で王妃の位を廃位され、庶民に落ちてしまうという激動の人生を送った女性でした。
史実では、晋城大君はクーデター勢力に担ぎ上げられただけで政変には積極的に関与しておらず、兄が殺しに来たと思い自害しようとして妻のシン氏に止められるという話が伝わっていて、その後の治世もパッとしないことから、私見ですが格好悪いイメージを持っていました。
果たして、このドラマでは晋城大君は主人公なのです。
王座をめぐる骨肉の争いの醜悪さばかりに目を向けるのでなく、美しい風景を背景に綴られる宿命の兄弟との運命的な恋の行方が見所です。
王宮のセットの調度品や衣装、装飾品が色鮮やかで、彩りを鑑賞するのも楽しいです。
配役と主な出演作品
シン・セギョン/パク・ミニョン 幻の王女チャミョンゴ ヒーラー
晋城大君(イ・ヨク)/ヨン・ウジン アラン使道伝(サトデン) 法廷プリンスイ判事サ判
燕山君(イ・ユン)/イ・ドンゴン 輝く星のターミナル ガラスの華
ソノ/ファン・チャンソン(2PM) 僕は彼女に絶対服従~カッとナム・ジョンギ~ あやしいパートナー
ユン・ミョンへ/コ・ポギョル トッケビ 風船ガム
慈順大妃/ト・ジウォン 素晴らしき、私の人生 優しくない女たち
まとめ
燕山君は先王の嫡子で長男なので、王位継承の正当性に問題はないはずでした。
廃妃にされ自ら死ぬことを強要された母を持ったために、罪人の子扱いされたかもしれませんが、王座が危うくなるほどの理由とは思えないのです。
幼い頃に母を亡くし心に傷を負っているとはいえ、なぜ史上稀に見る暴君になってしまったのでしょうか。
ドラマの素材として面白いのか、燕山君は映画やドラマに度々登場しています。
しかもイケメンが配役されることが多い気がします。
アンチヒーロー的な扱いなのか、今後も注目していきたい韓国の歴史上の人物の一人です。
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